思ってる以上に闇じゃなかった
巷で騒ぎとなっているプログラミングスクールの闇は思ってる以上に闇ではないというのが正直なところです。
人気の転職向けプログラミングスクール経由で上司から椅子ぶん投げられるような職場に送り込まれたりとかって稀です(というかそういう職場は皆無です)不動産営業とか別の業界ならそういう職場ありますしね。
プログラミングスクールの闇を語ってるSNSアカウントをいくつか拝見しましたが定時退社して普通にホワイトな職場じゃない?と思いました。
要は”期待値の問題”なのかなと。
「前職では年収450万円もらってたのにエンジニア転職したせいで300万円になってしまった」
「もっと自由に働けると思っていたのにスーツ・ネクタイ着用の固い職場に行かざるを得なくなった」
エンジニアは稼げたり自由に働ける仕事であると期待値が高くなりすぎてるように思います。
これはスクールの誇大広告のせいなのかというとそう単純ではないでしょう。
人間の認知の性質でもある確証バイアスのせいでもあるかなと。
確証バイアス
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。
「エンジニアは稼げる、自由な働き方ができる」と自分の希望を強化する情報だけ私たちは収集する性質があるわけです。
その結果、期待値がグングン高まっていく。
繰り返しますが人間としては別に普通の認知の仕方です。ただこの認知バイアスを我々は抱えていることは認識し気を付けるべきだと思いますね。
エンジニアが稼げる職業であること自体は事実です。ただし転職してすぐには稼げませんし、2、3年はしっかりコツコツ経験を積まないと年収も高まりません。
これ、エンジニアだけでなくどの職業でも同じことだと思うんですよね。
ただエンジニアだけ謎に期待値が上がりすぎてるのが問題かなと。
みんながみんなキラキラ企業に就職できるわけではなくきつい現実からスタートしなければならない場合もあるでしょう。
そういったキラキラした現実ばかりではないことを先に知っておく、最悪の事態を想定しておくこともまた重要でしょうね。
とはいえ最悪な事態ってのがそこまで最悪でもないと思うんですけどね。
本記事ではプログラミングスクールを利用して起きうる最悪の事態について解説します。
プログラミングスクールの闇とは
プログラミングスクールの闇として取り上げられているものが大きく分けて以下の3つです。
闇①転職成功率には途中で退校した人は含まれていない
闇②転職保証の条件厳しすぎ
闇③スクールの求人がSES企業ばかりだった
闇①転職成功率には途中で退校した人は含まれていない
各スクールが打ち出している転職成功率99.1%や98.9%という数字。
この数字がくせ者でして、この数字には途中で退校した人は含まれていないケースが多いです。
「最後まで受講し、かつスクールが紹介する求人を断らなかった人」がデータの母数になっているのです。
つまり就職しやすいブラック求人を紹介すると転職成功率は高めようと思えばいくらでも高めることができるわけです。
スクールが分かりやすい数字を掲げたいのはマーケティング戦略上理解できます。
やっぱり人間の性質として「確かさ」を求めたくなるものですしね。これは私もそうですし誰だってそうです。
ただし転職成功率はあまり当てにできる数字ではないかなと。
闇②転職保証の条件厳しすぎ
転職できなかった場合に受講料が全額返金される転職保証。あると安心ですよね。
ただこの転職保証の条件は結構注文が多いんですよね。注意です。
スクールによって異なりますが以下の様な条件を掲げているスクールが多いです。
・スクールが紹介した求人を断らないこと
・転職メンターとの面談を欠席しないこと
・転職の意思があること
・カリキュラムをすべて終えること
スクールから紹介された求人を断ると転職保証が外れるスクールもあります。つまりブラック求人を紹介されても断るに断れないわけです。
ただスクールのフォローをします。スクールも営利活動であり義務教育ではありません。ここは絶対に押さえておくべきかなと。
すべてのプログラミングスクールではないですがプログラミングスクールは以下のキャッシュポイントを設けているケースが多いです。
・受講料
・企業への人材紹介報酬
スクールは受講料だけでなく受講生に求人を紹介し、企業に就職してもらうことで企業から紹介報酬を得ているわけです。
これは別にビジネスとして普通です。スクールから積極的に求人を紹介してもらえるわけでメリットもあります。
ただし求人を見極める必要は間違いなくありますのでその点は注意しましょうね。
闇③スクールの求人がSES企業ばかりだった
「プログラミングスクールから紹介される求人がSESばかり」という声もありますね。
自社開発企業に行けると思って受講したのにSES企業ばかりスクールから紹介されると裏切られた気持ちになるのは理解できます。
さらに転職保証の条件ではスクール側から求人を断ると転職保証が外れます。そのためSES企業に行きたくなくても行かざるをえないみたいなことに。
ただし実はプログラミングスクールは受講生によって紹介する求人を変えています。年齢や経歴、スキルを見て紹介する求人を変えてるわけですね。
20代で理系出身みたいな人であれば地頭の良さと今後のポテンシャルから自社開発企業にも採用されやすいです。そのためスクールから自社開発企業の求人を紹介されるケースも多いでしょう。
30代であればSES企業を紹介されるケースが多くなるでしょう。というのも30代で転職できる確率が高いのはどうしてもSES企業になってしまうからです。
提案です。退路を断たず仕事しながらプログラミング学習しよう
提案です。
現在働いている人でエンジニア転職したい人は仕事は辞めず働きながらプログラミング学習しましょう。
「仕事を辞めて退路を断ってプログラミング学習に打ち込む」
響きはいいですがなかなか危険かなと。ギャンブルで破滅する人と同じ思考回路ですからね。
働きながら学習できるプログラミングスクールを受講し、自分が行きたいと思える待遇・条件の企業に内定をもらってから仕事をやめる。これが堅実です。
コメント